じんぞう病治療研究会

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尊厳生のための事前指定書

尊厳生(そんげんい)

2001年、岡田一義は、人生の最終段階の医療とケアでも自分が考える人としての尊厳を保ちつつ、家族等と医療チームも合意して延命治療を見合わせて、緩和ケアを継続しながら自分らしく最期の時を生きる「尊厳生」という新しい概念を提唱しました。わが国における尊厳死と「尊厳生」の具体的な違いは、1.尊厳死は死の迎え方の選択ですが、「尊厳生」は最期の生き方の選択です。2.尊厳死は延命治療のすべてを自己決定できますが、「尊厳生」は水分補給を原則とし、延命治療の自己決定を行います。3.尊厳死は法的に認められていませんが、「尊厳生」の後にある死は法的に認められている自然死です。医師および看護師にアンケート調査を実施しましたところ、「尊厳生」はほとんどの初めて聞いた言葉であるにもかかわらず、「尊厳生」のほうを支持する医師および看護師を多く認めました。この結果は、人生の最終段階における医療とケアは「尊厳生」という立場で行うことが重要であることを意味しています。憲法で、すべての国民は個人として生きる権利を認められており、人生の最終段階でも自分が考える尊厳ある生き方を貫くということから始め、国民がアドバンス・ケア・プランニングの実施や事前指示書の作成が尊厳維持のために必要であると認識できるようにすることが質の高い医療とケアを確立するために重要なステップです。

岡田一義は、2003年3月に「尊厳生」のための事前指示書の原案を作成し、中澤明子(せんねん村施設長)、犬飼直人(白楊会病院事務長)、押川真喜子(聖路加国際病院看護ステーション所長)とともに事前指示書(案)の内容を9回改訂し、2004年2月24日に現在の事前指示書が出来ました。「尊厳生」のための事前指示書に記載されたように延命治療を中止し、患者さんが死亡した場合、「延命治療中止」と死に因果関係が証明されると状況によって実行者は罪に問われますが、わが国において質の高い医療とケアを「尊厳生」のための事前指示書によって普及させたいと思います。「尊厳生」のための事前指示書は、個々の延命治療について「希望する」、「希望しない」だけの意思表示ではなく、「家族等の判断に任せたい」、「今は決められない」の意思表示もある上、作成者の希望を書く欄もあり、作成者の意思が反映されると考えています。

じんぞう病治療研究会は、「尊厳生」のための事前指示書をホームページに掲載し、毎年1月1日をJapan Decision Dayとし、すべての国民が家族と自己決定についても話し合う日になることを願っています。この日には、「尊厳生」のための事前指示書を見直すだけではなく、家族等(自分・配偶者・親・兄弟・子供・友人など)、生き方、死生観、宗教、環境、テロ、戦争、教育、政治、経済などあらゆることについても話し合っていただけることを願っています。

「尊厳生」のための事前指示書について

じんぞう病治療研究会

患者さんおよびご家族等の皆様へ

患者さんが意思表示できなくなった場合、ご家族等および医療側は患者さんの意思がわかりません。患者さんの意思を尊重した医療とケアを行ってもらいたい場合、意思表示ができるうちに、将来の医療とケアについての話し合い(アドバンス・ケア・プランニング)を行ったり、患者さんの意思を示す事前指示書を書いておくことが重要です。
患者さんが考える尊厳を保ちながら、自分らしく最期の時を生きる「尊厳生」(そんげんい)という概念があり、以下のような考え方です。

  1. 人としての尊厳を保ちながら最期の時を生きるため、最期の時に延命治療を受けながら生きたいか、あるいは、受けないで生きたいかという意思決定を行う。
  2. 水分補給拒否の自己決定を行わない場合、生きるために必要な水分補給が行われる。
  3. 最期の時を人らしく生きた「尊厳生」(そんげんい)の後にある死は、自然死である。

患者さんが将来意思の疎通ができなくなった時に備えて、患者さんがどのようにして欲しいのかを書いていただきます。この事前指示書は、患者さんの意識がしっかりしていて、ご自分で意思表示することが可能な場合には参考にされません。
患者さんご自身で意思表示することができなくなった場合、この事前指示書を尊重して、できる限りご要望に沿えるように、患者さんご本人およびご家族等2名が署名をして、保管しておいてください。2部作成し、患者さんとご家族等それぞれが保管しておくようにしてください。

「尊厳生」のための事前指示書を ダウンロードする

Eメール kidney-dts@ckdjapan.jpまでお送りください

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